作成日:2024/10/25
【社会保険労務士が解説】快適な職場環境とは?労働安全衛生法に基づく労働衛生基準について
社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
わたしどもの事務所ではスタッフが増えてきており、できるかぎり快適な職場環境をキープできるように気を配っております。
この職場環境については、あまり知られていませんが、労働安全衛生法に基づく労働衛生基準が定められています。
今回は、労働衛生基準の中でも、「温度」「照度」「トイレ」「休憩室」について確認します。
「温度」「照度」「トイレ」「休憩室」の基準について
「温度」についてですが、事務所の室温は18度以上28度以下になるように努めなければなりません。冬場の室温については言うまでもございませんが、最近の夏場の猛暑には熱中症のリスクも考えて室温には気を配る必要があります。
「照度」についてですが、はじめに照度とは、光が当たる面の光量を示す単位のことで、ルクスで表します。作業の内容ごとに2つの区分があり、読み書きが必要な「一般的な事務作業」については300ルクス以上、資料の袋詰めなど、事務作業のうち、文字を読み込んだり資料を細かく識別したりする必要のない「付随的な事務作業」については150ルクス以上と定められています。
照度が不足すると眼精疲労が生じやすくなりますし、前かがみになるといった不自然な姿勢を取り続けることにもなり、健康障害が生じやすくなります。定期的に照度のチェックが必要になります。
「トイレ」についてですが、独立個室型であることが必要です。独立個室型とは、隙間なく四方を壁で囲われていて内側から施錠できるトイレのことです。
原則として、男性用と女性用を別々に設置することを義務づけていますが、いわゆるマンションオフィスなどは、トイレが一つしかないこともあります。こうしたケースでは、同時に就業する労働者が常時10人以内の事業所では、男性用と女性用に区別しなくても、例外として独立個室型のトイレがあれば大丈夫です。
ただし、男女共用のトイレは風紀上の問題や従業員の心理的な負荷が発生する可能性があるため、あらかじめ使用についてのルールを決めておくと良いです。
「休憩室」についてですが、常時50人以上または常時女性従業員が30人以上の事業所では、男性用と女性用に区別して設ける必要があります。
ただ専用の設備までは必要なく、ベッドや布団など、体調不良の従業員が一時的に横になって休める機能が備わっていれば、オフィスの空いている部屋などでも問題ありません。
最後に
厚生労働省が公開しているパンフレット(令和4年3月1日交付)にも詳しく紹介されていますので、気になる方はご覧ください。
快適な職場環境を整えて、従業員の皆様の働きやすさを確保しましょう。
具体的な運用方法などについて気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽に
お問い合わせください。