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作成日:2024/11/22
【社会保険労務士が解説】賞与支給時の社会保険の手続きと社会保険料の計算について

 社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
 毎年12月に賞与を支給される事業所は多いです。今回はあらためて賞与を支給した際に必要な社会保険に関する手続きと、社会保険料の計算についてまとめます。


賞与支払届・賞与不支給報告書の提出が必要

 賞与を支給した際には、5日以内に賞与支払届の提出を行います。賞与支払届は、賞与を支給した社会保険に加入するすべての役員・従業員で提出が必要です。もし賞与支払月に業績の影響等で不支給となった場合は、賞与不支給報告書を提出します。
 なお慶弔見舞金(結婚・出産祝い等)は、賞与の対象外ですので、賞与支払届の提出は不要です。


賞与支給時の社会保険料の計算方法

 次に賞与を支給する際の社会保険料の計算についてです。まず雇用保険料は通常の給与計算時と同様の計算方法で問題ありません。社会保険料(健康・介護・厚生年金)は通常の計算方法とは異なりますが、保険料が事業主と折半であることは変わりありません。
 
★健康保険料=標準賞与額×健康保険料率÷2
 ※標準賞与額には上限があり、健康保険の場合は、年間累計額573万円が上限です。
  上限を超えた額には保険料は発生しません。
  また年間とは、毎年4/1〜翌3/31となります。

 ★介護保険料=標準賞与額×介護保険料率÷2
  ※介護保険料は40歳以上65歳未満の場合に徴収が必要になります。
   賞与支払月に40歳もしくは65歳に到達する従業員がいる場合は注意が必要です。
   標準賞与額は、健康保険料と同じく年間累計額573万円が上限です。

 ★厚生年金保険料=標準賞与額×厚生年金保険料÷2
  ※厚生年金保険の標準賞与額の上限額は、1回当たり150万円です。
   例えば1回で200万円の賞与が支給される場合は、150万を超えた額には厚生年金保険料は発生しません。
 
 標準賞与額とは、賞与額(社会保険料や所得税を控除する前)から1,000円未満を切り捨てた額になります。計算時には、この切り捨てを忘れないようにしてください。
 なお本人負担の社会保険料に端数が発生した場合は、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げにしてください。
  ※例えば、折半した保険料額が、
       12,345.50円の場合 ⇒ 12,345円を控除
       12,345.51円の場合 ⇒ 12,346円を控除
 

最後に

 賞与支払届の提出期限は賞与支給日から5日以内と短いため、速やかな処理が必要になります。事前に計画を立てて進めましょう。
 気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。