作成日:2025/02/27
【社会保険労務士が解説】令和7年度の健康保険料率と給与計算時の注意点について
社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
協会けんぽから、令和7年度の各都道府県別の健康保険料率が発表されました。
今回は、令和7年度の具体的な健康保険料率、改めて知っておくべき健康保険料額の求め方や標準報酬月額・標準賞与額、最後に給与計算時の注意点を解説します。
令和7年度の健康保険料率について
令和7年度の健康保険料率は大分県を除く46都道府県で変更が発生し、引下げが18都道県、引上げが28府県となっています。(東京都は0.07%引き下げられて9.91%)
また介護保険料率は全国一律で、昨年度から0.01%引き下げられて、1.59%となります。
↓令和7年度の全国の保険料率(協会けんぽHP)
協会けんぽの健康保険料率は、各都道府県により異なります。保険料の算出には、その地域の加入者の医療費に基づいて算出されていて、都道府県ごとに医療費が異なるため、保険料率に差が生じています。
なお健康保険組合における保険料率は、各組合ごとに定められています。それぞれの健康組合のHP等で確認してみてください。
健康保険料額の求め方
新しい保険料率は、令和7年3月分(⇒4月末納付分)より適用されますが、あらためて健康保険料額の求め方を確認します。
■毎月の保険料額・・・健康保険料=標準報酬月額×健康保険料率
■賞与を支給した場合の保険料額・・・健康保険料=標準賞与額×健康保険料率
従業員の年齢が40歳から64歳までの場合は、加えて介護保険料が必要になります。
■毎月の保険料額・・・健康保険料=標準報酬月額×介護保険料率
■賞与を支給した場合の保険料額・・・健康保険料=標準賞与額×介護保険料率
上記で求めた保険料額は、会社と従業員が折半しますが、円未満の端数が出ることもあります。従業員負担分に円未満が発生した場合の対応は、会社が給与から保険料の従業員負担分を控除する際に、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円とします。
例)折半額が20,315.50円 ⇒ 20,315円を控除
折半額が20,315.51円 ⇒ 20,316円を控除
標準報酬月額と標準賞与額とは
毎月の保険料を求める際に使用する標準報酬月額についてです。この標準報酬月額は、社会保険料の計算を簡易に行うために一定の金額の範囲で設定されています。
↓令和7年度の東京都の保険料額表(協会けんぽHP)
※保険料率は各都道府県で異なりますが、標準報酬の等級は共通です。
次に標準賞与額とは、賞与を支給時に保険料を計算する際に使用する金額で、賞与額の1,000円未満を切り捨てて算出します。
例)賞与額 358,695円 ⇒ 標準賞与額 358,000円
給与計算時の注意点
毎月の給与計算で給与計算ソフトを使用されている会社が多いと思います。その場合は一般的に新しい保険料率が自動で反映すると思いますが、念のため保険料が正しく設定されていることを確認してから給与計算を開始してください。
また、通常は3月の保険料を4月支給の給与で控除されていると思います。ただし、3月に賞与を支給される場合は、新しい保険料率で計算する必要がありますので、この点はよく確認されて、正しい保険料の控除を行ってください。
最後に
気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽に
お問い合わせください。