作成日:2025/03/28
【社会保険労務士が解説】令和7年度の雇用保険料率と雇用保険料の計算について
社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
令和7年度の雇用保険料率が発表されました。令和6年度から0.1%引き下げられます。今回は令和7年4月1日からの雇用保険料率と、雇用保険料の計算についてお伝えします。
令和7年度の雇用保険料率
・一般の事業では、1.55%が1.45%となります。(15.5/1000⇒14.5/1000)
・農林水産・清酒製造の事業では、1.75%が1.65%になります。(17.5/1000⇒16.5/1000)
・建設の事業では、1.85%が1.75%になります。(18.5/1000⇒17.5/1000)
それぞれ、労働者負担と事業主負担が0.05%ずつ引き下げです。
↓令和7年度の雇用保険料率(厚生労働省HP)
雇用保険料は、離職時や育児休業・介護休業取得時の給付金の支給や、コロナの際に申請された企業も多いと思いますが雇用調整助成金などの失業を予防する雇用安定事業、従業員のスキルアップを支援する能力開発事業にも利用されています。
給与計算時の雇用保険料の変更タイミング
給与計算時の雇用保険料変更のタイミングは、4月1日以降に最初に到来する締日により支給される給与からになります。
(通常の計算例)
■締日3/31 支払日4/25
⇒ 賃金締日が4/1より前のため、従来の雇用保険料で計算します。
翌月5/25に支払う給与から、新しい雇用保険料で計算します。
■締日4/20 支払日4/30
⇒ 賃金締日が4/1以降のため、今回から新しい雇用保険料で計算します。
雇用保険の計算対象となる賃金と端数処理について
雇用保険の計算対象となる賃金は、賃金、給与、手当、賞与等の名称にかかわらず、労働の対償として従業員に支給されたものすべてとなります。慶弔見舞金や休業補償、解雇予告手当などは賃金に含まれません。また兼務役員の場合の役員報酬部分も雇用保険の計算対象となる賃金とはしません。
雇用保険料計算時の端数処理についてです。雇用保険料を給与から控除する際は、50銭以下は切り捨て、50銭1厘以上は切り上げ(いわゆる五捨六入)となります。ただし就業規則、賃金規程等で特段の取り決めをした場合は、この限りではありません。
雇用保険料の申告と納付方法
雇用保険料の申告と納付方法についてです。毎月納付する社会保険料とは異なり、雇用保険料の申告と納付は、年度更新(毎年6/1-7/10までの期間で実施)で行います。具体的な計算については、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として、雇用保険に加入する従業員に支給される賃金総額に雇用保険料を掛けて求めます。年度更新では毎年概算保険料の申告と納付、確定保険料の申告と納付のサイクルを回していきます。従業員負担分の雇用保険料は毎月の給与と賞与から徴収して、年1回の年度更新時に、会社負担分と合わせて納付することになります。
最後に
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