作成日:2025/05/30
【2025年度版】労働保険の年度更新のポイントまとめ【社会保険労務士が解説】
社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
今回は、労働保険の年度更新の概要、2025年の変更点、手続きにおける注意点についてお伝えします。
1. 年度更新とは
年度更新とは、毎年6月1日から7月10日の期間内に、前年度の労働保険料(労災保険料&雇用保険料)の確定と、今年度の(労働保険の)概算保険料の申告と納付を行う手続きになります。
労働保険は、従業員を雇用するすべての事業所に適用され、対象となる事業所は人数にかかわらず申告が必要です。
申告書は、厚生労働省から緑色(または青色)の封筒で5月末〜6月初旬に送付されてきますので、放置しないようにしてください。
2. 保険料の計算方法と対象について
最初に賃金集計を行います。前年4月1日〜今年3月31日までの、労働に対して支払われた賃金を集計し、業種別の労働保険料率&雇用保険料率をそれぞれ乗じて保険料を算出します。
労働保険料の対象となる賃金に含めるものとしては、基本給、各種手当、賞与、通勤手当、休業手当などがあります。賃金に含めないものとしては、慶弔見舞金、退職金、解雇予告手当、実費弁償費用などがあります。
3. 2025年度の変更点について
労災保険率は、2024年度に改定済みで、2025年度は変更なしです。雇用保険料率は、2025年度(2025年4月〜2026年3月)は前年度から引き下げられました。
また特別加入の改正があり、特定フリーランス事業者が新たに対象に追加されました。
4. 手続きにおける注意点について
最初に、適用対象者についてです。労災保険は、すべての従業員(役員・親族除く)が対象になります。仮に1日だけ勤務してもらったアルバイトも対象です。雇用保険は、週20時間以上、31日以上の雇用見込みがある従業員(兼務役員含む)が対象になります。
手続きを行う際には、労働保険番号、概算保険料額、保険料率を確認します。
なお資本金1億円超の法人では、電子申請での申告が義務付けられています。
5. 効率的な対応のために
登録情報の事前確認と、従業員の雇用保険の加入有無を確認して、正確な集計を心がけましょう。
電子申請を活用することで、窓口へ足を運ぶ必要はありません。また電子申請では、入力チェック機能や自動計算機能があり、非常に便利です。
保険料の納付は、口座振替にすることで、手数料不要で納付漏れも防止することができます。
最後に
年度更新の期限は【2025年7月10日(木)】です。期限を過ぎると延滞金が発生する場合もあるため、早めの準備をしましょう。
気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽に
お問い合わせください。