作成日:2025/06/18
【2025年度版】社会保険の定時決定(算定基礎届)提出のポイントを社会保険労務士が解説
社会保険労務士法人クリアパートナーズ所長の和田です。
今回は、社会保険の定時決定(算定基礎届)提出のポイントについてお伝えします。
1.定時決定(算定基礎届)とは
定時決定とは、毎年7月1日現在の全被保険者について、4月〜6月の給与(報酬)実績に基づいて標準報酬月額を見直す手続きです。見直された標準報酬月額は、9月分保険料(10月納付分)から適用されます。
今年の提出期限は、2025年7月10日(木)になります。
2.対象者と対象期間について
定時決定の対象となる被保険者は、2025年7月1日時点で使用されている以下に該当する方が対象です。
・健康保険・厚生年金保険の被保険者(70歳以上の厚生年金適用者も含む)
次に主な対象外となる方は、以下の通りです。
・2025年6月1日以降に資格取得した者
・2025年7月1日現在、休職・育休等で、報酬の支払がない者
定時決定の対象期間は、2025年4月・5月・6月となり、それぞれの月に支払った給与(報酬)によって手続きを行います。なお4月給与とは、実際に4月にある支給日に支払われた給与が該当します。
3.提出対象となる届出について
原則として、すべての対象者について「算定基礎届」を提出します。
4.記載内容と注意点について
記載内容は、各月に支給された給与額(基本給、残業代、各種手当、通勤手当等を含みます)と、労働日数になります。月給制の場合は、暦日で記載して、日給制・時給制の場合は、実際の出勤日数(有給休暇も含みます。)を記載します。
3か月の平均額を計算し、該当する「標準報酬月額」に格付けします。
注意すべき点については上記通り支給日基準です。繰り返しですが「4月支給分」であれば、4月の支払日が基準です。また同じく報酬には、残業代や歩合給等すべてを含める必要があります。遅早控除や欠勤控除については、控除後の支給額で記載します。
5.届出方法について
電子申請もしくは書面での提出になります。書面で提出する場合は、日本年金機構より送付される様式に手書きまたは入力して提出します。
6.給与額に変更があった場合の届出について
固定的賃金の変動があった場合は、別途随時改定(月額変更届)の手続きが必要になります。原則として、給与額が変更になった月から、3か月ともに支払基礎日数が17日(短時間労働者は11日)以上あり、報酬が著しく変動したときに届出が必要です。
※随時改定についての詳細は、以下の厚生労働省のHPで確認してください。
7.提出期限について
算定基礎届の提出期限は、今年は2025年7月10日(木)になります。提出期間が7月1日から7月10日までの短期間となりますので、事前に準備を進めておいてください。
算定基礎届の未提出もしくは、記載内容に虚偽がある場合、指導や是正措置の対象となる可能性ありますので注意してください。
8.実務上のポイントについて
早めの準備が必要です。6月支給分確定後、速やかに平均額の算出・届出準備を進めてください。正確性が求めまれますので、残業代・通勤手当・欠勤控除等を含めて記載してください。
電子申請の活用を検討してください。手続きが効率化されて、正確性の向上に有効です。
最後に
気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽に
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