作成日:2025/08/22
【導入事例】紙・エクセル管理からクラウド勤怠システムへ ― 社労士によるDX支援
勤怠管理の方法は、企業の規模や業種、歴史によってさまざまです。紙の出勤簿やタイムカード、エクセルを用いた管理は、多くの企業で長年親しまれてきました。シンプルでコストも抑えやすく、従業員が操作に迷うことも少ないというメリットがあります。一方で、従業員数が増えてきたり、働き方が多様化するにつれて、「より効率的に、かつ正確に管理したい」というニーズも生まれてきます。
今回、当法人の顧問先企業様では、紙・エクセル管理からクラウド型勤怠管理システムへと移行されました。私たち社会保険労務士が、労務管理の専門家としてシステム導入を支援した事例をご紹介します。
紙やエクセルでの勤怠管理の良さと課題
導入前、顧問先企業様ではエクセルでの勤怠集計を行っていました。これは、コストを抑えつつ自由にカスタマイズできる点で非常に有効な方法でした。
ただし、従業員数が増え、勤務形態も多様化していく中で、以下のような課題も徐々に見えてきました。
- 集計のたびに手作業が発生し、担当者の負担が増えていた
- 入力や計算のミスを防ぐための確認作業に時間がかかっていた
- 有休取得や残業時間をリアルタイムで把握しにくい
- 労基署の調査や従業員からの照会に対応する際、過去のデータを整理するのに手間がかかる
「紙やエクセルで管理するのも十分成り立つけれど、今の規模に合った方法に見直すべきではないか」――こうした経営者様の思いから、システム導入の検討が始まりました。
社労士が提案する「勤怠管理システムの比較・選定」
勤怠管理システムは数多くの種類があり、どのサービスを導入すべきか悩む企業も少なくありません。
私たちは、まず現行の勤怠管理方法の良さを確認しつつ、今後の成長や働き方の変化を見据えて必要となる機能を整理しました。そのうえで、複数のクラウド型勤怠管理システムを比較し、以下の観点からご提案を行いました。
- 操作のしやすさ:従業員が直感的に打刻・確認できるか
- 柔軟性:シフト勤務やリモートワークにも対応できるか
- コストバランス:初期費用・月額費用が妥当か
- 給与計算との連携:既存のソフトとスムーズに連動できるか
- 法改正対応:時間外労働の上限規制や有休取得義務に即時対応できるか
比較検討を重ねた結果、企業様の現状と将来に最も適したシステムを導入することが決まりました。
導入の効果「業務効率化」と「法令順守」の両立
システム導入後、企業様からは次のような声をいただいています。
- 勤怠集計にかかる時間が数日から数時間へ大幅短縮
- 有休や残業の状況をリアルタイムで確認可能に
- エクセルでは難しかった自動アラート機能により、法令遵守の安心感が増した
エクセル時代の「自由度の高さ」を評価していた企業様も、クラウドの仕組みを使うことで「効率性と法令対応」を両立できるようになりました。
社労士が関わるDX支援の意義
勤怠管理システムの導入は単なるIT化ではなく、労務リスクを抑えつつ業務を効率化する経営の取り組みです。
社会保険労務士が関わることで、
- 労働基準法など法令遵守の視点からチェックできる
- 企業の勤務形態や就業規則・社内ルールに合わせて最適な運用設計ができる
- 導入後の運用や従業員への周知まで伴走サポートできる
といった安心感があります。
最後に
紙やエクセルでの勤怠管理には、それぞれの良さがあります。しかし企業の成長や働き方の多様化に合わせて、より効率的な方法へ切り替えることも一つの選択肢です。働き方が多様化する今、クラウド勤怠管理システムの導入は効率化とコンプライアンス強化を同時に叶える選択肢です。
当法人では、勤怠管理の方法そのものを否定するのではなく、企業に最も合った管理方法を一緒に考える立場として、社労士ならではの勤怠管理DXサポートを提供しています。
▶︎「現状の勤怠管理を見直したい」「クラウド導入を検討したい」という企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。