作成日:2026/09/25
【社労士が解説】2026年10月から『106万円の壁』が撤廃へ、短時間労働者の社会保険加入要件について
社会保険労務士法人クリアパートナーズ 社会保険労務士の寺山です。
本記事では、2026年10月から撤廃される『106万円の壁』と短時間労働者の社会保険加入要件について解説します。
▼この記事を書いた人 社会保険労務士 寺山 晋太郎(Shintarou Terayama) 一橋大学社会学部卒業。大学卒業後、鉄道会社にて車掌や運転士といった現場仕事から労務管理・社員教育まで幅広い業務を担当。自身のライフステージの変化により、企業活動における「人」にフォーカスする社会保険労務士に魅力を感じ資格取得。現在は、社会保険労務士として「人」を活かし「会社」を発展させていくことを大切に、幅広い業種・職種・企業規模のお客様の支援に従事。
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現在、正社員よりも短い時間で働くパート・アルバイトの方についても、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、その企業における通常の労働者の4分の3以上であれば、原則として社会保険の加入対象になります。
また、従業員数が51人以上の企業(特定適用事業所と言います)では、以下の要件を満たす場合、社会保険の加入対象になります。
✓ 週の所定労働時間が20時間以上(残業時間は含みません)
✓ 給与が月額88,000円以上(残業代、賞与、通勤手当は含みません)
✓ 2か月を超えて働く予定がある
✓ 学生ではない
上記要件のうち、「給与が月額88,000円以上」について、週20時間働くことを前提に時給換算すると1,016円となります。
2025年の最低賃金の改定により1,016円を下回る都道府県がなくなったため、この要件については撤廃されることが既に決定されておりましたが、その後、賃金要件の撤廃の期日は、2026年10月1日と決定されました。
この決定により、2026年10月1日以降は、給与が月額88,000円という要件を確認する必要がなくなります。
現状でも週20時間以上勤務していれば、月額88,000円を超えている状況でありますので、多くの企業では今回の改定による影響は限定的と考えられますが、10月には今年度の最低賃金改定も控えておりますので、パート・アルバイトの時給について、あらためて確認しておくことをお勧めいたします。
なお、今回撤廃されるのは賃金要件のみですが、人数要件についても段階的に改定されることが決まっています。
- 現在 従業員数51人以上
- 2027年10月から 従業員36人以上
- 2029年10月から 従業員21人以上
- 2032年10月から 従業員数11人以上
- 2035年10月から 全企業で人数要件を撤廃
特に従業員数が36人以上の50人以下の企業では、2027年10月より新たに対象となりますので、そろそろ準備を始めておく必要があります。
なお、ここでいう従業員数とは、単純に会社の在籍人数ではなくて、現在の社会保険の加入対象者(フルタイムの従業員と、週の所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の従業員)の人数によって判断します。
最後に、あらためて2026年10月1日から、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、給与が月額88,000円以上という賃金要件が撤廃されます。
今回の改正だけを見ますと、多くの企業では実務上の影響は限定的と考えられますが、社会保険の適用拡大については、今回の賃金要件の撤廃だけで終わりではありません。
2027年10月からは従業員36人以上の企業、2029年10月からは21人以上、2032年10月からは11人以上の企業へと対象が拡大し、2035年10月には企業規模要件そのものが撤廃される予定です。
そのため、現在は対象となっていない企業につきましても、将来的に社会保険の適用拡大によって新たに加入対象となる従業員がいる場合は、会社も健康保険料・厚生年金保険料等の負担が増えることになりますので、早めに準備を進めておくことが大切です。
社会保険の適用対象となる従業員の確認や、今後の適用拡大への対応など、具体的な運用等でお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。